冨永歯科クリニックでは、歯科用マイクロスコープを用いた精密な歯内療法(根管治療)を行っております。 「抜歯」と言われた歯でも、精密な根管治療によって保存できる可能性があります。
大切な天然歯を1本でも多く残すために、最善の治療をご提供いたします。
歯内療法(根管治療)とは
歯内療法とは、歯の内部(歯髄=神経と血管が通る部分)に起こった病変を治療し、歯を保存するための治療法です。 一般的には「根管治療」や「神経の治療」と呼ばれています。
むし歯が深く進行して歯髄にまで達した場合や、過去の治療後に歯の根の先に膿がたまった場合などに行われます。 歯の根の中にある細い管(根管)を丁寧に清掃・消毒し、専用の薬剤で密封することで、歯を抜かずに残すことを目指す治療です。
歯内療法の目的
感染した歯髄や汚染された根管内の細菌を徹底的に除去し、根管を緊密に封鎖することで、歯の根の周囲の炎症を治癒させ、歯を長期的に保存することです。
こんな症状はありませんか?
🦷
何もしていなくても
歯がズキズキ痛む
🔥
冷たいもの・熱いもので
しみる・痛みが長引く
😣
噛むと
歯に響くような痛みがある
⚠️
歯ぐきに
おできのような膨らみがある
💊
以前治療した歯が
再び痛み出した
🏥
他院で
「抜歯が必要」と言われた
上記のような症状がある場合、歯の神経や根の先に問題が生じている可能性があります。早期に適切な歯内療法を受けることで、歯を保存できる確率が高まります。
マイクロスコープを用いた精密根管治療

当院で使用している歯科用マイクロスコープ(Möller-Wedel社製)
根管治療の成功率を大きく左右するのが、術野の「見える化」です。 歯の根管は直径わずか0.1mm〜1mm程度と非常に細く、肉眼では確認が困難な複雑な構造をしています。
当院では、ドイツ・Möller-Wedel社製の歯科用マイクロスコープ(手術用顕微鏡)を導入し、 最大約20倍の拡大視野のもとで根管治療を行っております。
マイクロスコープ導入のメリット
- 肉眼では見えない微細な根管や亀裂を正確に発見できる
- 感染した組織の取り残しを最小限に抑えられる
- 健全な歯質を不必要に削ることなく、歯を温存できる
- 過去の治療で折れ残った器具(破折ファイル)の発見・除去が可能
- 穿孔(パーフォレーション)の発見と修復が的確に行える
- 治療の過程を記録し、患者様への説明にも活用できる
肉眼とマイクロスコープの違い
肉眼での根管治療は、いわば「暗闘の中で手探りで行う治療」です。 マイクロスコープを使用することで、明るい照明と高倍率の拡大視野により、根管内部を直視しながら治療を進めることができます。 これにより、治療の正確性と成功率が飛躍的に向上します。
根管治療の流れ
当院の根管治療は、以下のステップで丁寧に進めてまいります。
精密検査・診断
デジタルレントゲン撮影やCT撮影を行い、歯の根の形態・病変の範囲を三次元的に把握します。 マイクロスコープによる視診も併せて行い、正確な診断を下します。 患者様には画像をお見せしながら、現在の状態と治療計画を丁寧にご説明いたします。
ラバーダム防湿
治療する歯にラバーダム(ゴム製のシート)を装着し、唾液や細菌が根管内に侵入するのを防ぎます。 これにより無菌的な環境を確保し、治療の成功率を高めます。 また、薬液や小さな器具の誤飲を防ぐ安全面のメリットもあります。
感染歯質の除去・根管の開拡
むし歯に侵された歯質や古い修復物を除去し、根管への入り口(髄腔)を確保します。 マイクロスコープで確認しながら、感染部分のみを的確に除去し、健全な歯質をできるだけ温存します。
根管の清掃・形成
ニッケルチタン(Ni-Ti)ロータリーファイルなどの専用器具を用いて、根管内の感染した歯髄組織や汚染された象牙質を除去します。 マイクロスコープで根管内を直視しながら、複雑に曲がった根管も丁寧に追跡し、根管の先端まで確実に清掃・形成を行います。 根管の長さは電気的根管長測定器で正確に測定します。
根管内の洗浄・消毒
次亜塩素酸ナトリウムやEDTAなどの洗浄液を用いて、ファイルでは除去しきれない細菌や有機物を化学的に溶解・除去します。 超音波洗浄を併用し、根管の隅々まで薬液を到達させ、徹底的な消毒を行います。 必要に応じて水酸化カルシウムなどの貼薬を行い、複数回に分けて消毒を進める場合もあります。
根管充填
根管内が十分に清潔になったことを確認した後、ガッタパーチャと呼ばれる専用の充填材とシーラー(接着剤)を用いて、根管を緊密に封鎖します。 根管内に空隙が残らないよう、マイクロスコープで確認しながら精密に充填します。 充填後はレントゲンで根管が根尖(根の先端)まで適切に封鎖されていることを確認します。
支台築造・補綴(かぶせもの)
根管治療が完了した歯には、ファイバーポストなどの支台(コア)を立て、その上にセラミッククラウンなどの補綴物(かぶせもの)を装着します。 根管治療後の歯は脆くなりやすいため、適切な補綴処置で歯を保護し、長期的な機能回復を図ります。
経過観察・メンテナンス
治療後は定期的にレントゲン撮影を行い、根の先の病変が治癒していく経過を観察します。 通常、3か月・6か月・1年後に経過確認を行います。 併せて定期的なクリーニングやメンテナンスを受けていただくことで、治療した歯を長く健康に保つことができます。
歯内療法が必要となる主な疾患
| 疾患名 | 症状・特徴 | 治療内容 |
|---|---|---|
| 歯髄炎 | 深いむし歯により歯髄(神経)に炎症が起こった状態。自発痛(何もしなくても痛む)や冷温痛が強い。 | 抜髄(歯髄の除去)+根管治療 |
| 歯髄壊死 | 歯髄が死んでしまった状態。痛みが消えることもあるが、放置すると根尖性歯周炎に進行する。 | 感染根管治療 |
| 根尖性歯周炎 | 歯の根の先に膿がたまり、腫れや痛みが出る。歯ぐきにフィステル(おでき)ができることも。 | 感染根管治療(再治療) |
| 歯根破折 | 歯の根にひびや割れが生じた状態。噛むと痛む、歯ぐきが腫れるなどの症状。 | 状態に応じて保存治療または抜歯の判断 |
| 外傷による歯髄損傷 | 転倒や衝突などで歯に強い衝撃を受け、歯髄が損傷した状態。 | 経過観察または抜髄+根管治療 |
症例紹介
症例1:大臼歯の感染根管治療(再治療)
| 患者 | 50代女性 |
| 主訴 | 右下奥歯の鈍痛と歯ぐきの腫れ。他院で「抜歯が必要」と診断された。 |
| 診断 | 右下第一大臼歯の根尖性歯周炎(以前の根管治療の不備による再感染) |
| 治療内容 | マイクロスコープ下で過去の根管充填材を除去。肉眼では発見できなかった第4根管(MB2)を発見し、全根管を徹底的に清掃・消毒。Ni-Tiファイルとバイオセラミックシーラーを用いて精密に根管充填。 |
| 経過 | 治療後6か月のレントゲンで根尖部の透過像(病変)の縮小を確認。1年後には病変がほぼ消失し、症状も完全に改善。現在もメンテナンスを継続中。 |
症例2:前歯の外傷後の根管治療
| 患者 | 30代男性 |
| 主訴 | スポーツ中の衝突で上の前歯を強打。受傷後数週間で歯の変色が出現。 |
| 診断 | 上顎中切歯の歯髄壊死(外傷性) |
| 治療内容 | マイクロスコープ下で壊死した歯髄を除去し、根管を清掃・消毒。水酸化カルシウムによる貼薬後、根管充填を実施。変色に対してはウォーキングブリーチ(内部漂白)を行い、審美性を回復。 |
| 経過 | 根管治療後の経過は良好。歯の色も自然な白さに回復し、患者様にも大変ご満足いただけた。 |
症例3:破折ファイル除去を伴う再根管治療
| 患者 | 40代男性 |
| 主訴 | 左上奥歯の違和感と噛んだ際の痛みが続いている。 |
| 診断 | 左上第二小臼歯の根尖性歯周炎。レントゲンにて根管内に破折ファイル(過去の治療で折れて残った器具)を確認。 |
| 治療内容 | マイクロスコープの高倍率下で破折ファイルを直視しながら、超音波チップを用いて安全に除去。その後、根管内を徹底的に洗浄・消毒し、根管充填を実施。 |
| 経過 | 術後の痛みや腫れはなく、3か月後のレントゲンで根尖部の病変縮小を確認。定期メンテナンスにて経過観察中。 |
※上記は治療例の紹介であり、すべての症例で同様の結果を保証するものではありません。治療結果には個人差があります。
当院の根管治療の特長
| 項目 | 一般的な根管治療 | 当院の精密根管治療 |
|---|---|---|
| 拡大視野 | 肉眼(倍率1倍) | マイクロスコープ(最大約20倍) |
| 感染防御 | ラバーダム不使用の場合あり | ラバーダム防湿を原則使用 |
| 根管形成 | ステンレスファイル中心 | Ni-Tiロータリーファイル使用 |
| 根管洗浄 | シリンジ洗浄のみ | 超音波洗浄を併用した徹底洗浄 |
| 画像診断 | 二次元レントゲン | CT(三次元)+デジタルレントゲン |
| 充填材 | 従来型シーラー | バイオセラミックシーラー使用 |
治療費について
当院の歯内療法(根管治療)は保険診療で対応しております。 患者様の症状や歯の状態により治療内容・回数は異なりますので、まずはお気軽にご相談ください。
ご注意
根管治療の回数や期間は、歯の種類(前歯・小臼歯・大臼歯)、根管の数や形態、感染の程度によって異なります。 一般的に前歯で2〜3回、大臼歯で3〜5回程度の通院が必要です。 治療期間中は仮のふたをしている状態ですので、硬いものを噛むことは避け、次回のご予約までにご来院ください。
よくあるご質問
Q. 根管治療は痛いですか?
治療前にしっかりと局所麻酔を行いますので、治療中に強い痛みを感じることはほとんどありません。 炎症が強い場合は麻酔が効きにくいこともありますが、追加の麻酔や鎮痛法で対応いたします。 治療後に一時的な違和感や軽い痛みが出ることがありますが、通常は数日で治まります。
Q. 治療回数はどのくらいですか?
歯の種類や感染の程度によって異なりますが、一般的に2〜5回程度の通院が必要です。 初回に十分な時間をかけて精密な処置を行うことで、治療回数の短縮を図っております。
Q. 以前治療した歯がまた痛くなりました。再治療はできますか?
はい、再治療(感染根管治療)は可能です。マイクロスコープを使用することで、以前の治療で見落とされた根管や取り残された感染組織を発見し、適切に処置することができます。 他院で「抜歯が必要」と言われた歯でも、保存できる可能性がありますので、まずはご相談ください。
Q. マイクロスコープを使うと治療費は高くなりますか?
当院では保険診療の範囲内でマイクロスコープを使用した根管治療を行っております。 マイクロスコープの使用によって追加費用が発生することはございませんのでご安心ください。
Q. 歯を抜いた方が早いのではないですか?
確かに抜歯は短期間で完了しますが、天然歯に勝る人工物はありません。 一度抜いた歯は二度と戻りません。インプラントやブリッジなどの代替治療が必要となり、長期的なコストや周囲の歯への負担も考慮する必要があります。 できる限り天然歯を保存することが、口腔全体の健康を長く維持する最善の方法と考えております。
歯の痛みや違和感でお悩みの方へ
冨永歯科クリニックでは、マイクロスコープを用いた精密な歯内療法で
大切な歯の保存に全力で取り組んでおります。
「この歯はもう抜くしかない」と諦める前に、一度ご相談ください。
院長 冨永 尚宏